【冒頭発言概要】

 先般、中国軍機が我が国の領空を侵犯いたしました。約二分にわたって我が国の領空に侵入してきたという事案であります。極めて大問題であって、厳重に抗議したいと思います。領海侵犯もこの間、尖閣諸島周辺に行われておりましたけれども、領空に対する侵犯は初めてです。領海と違って時間的猶予がないので、この領空侵犯というのは、例えば仮にミサイルや爆弾を搭載していた場合には瞬時に我が国に被害が及ぶということなので、看過し難い重大事案であります。特に今、岸田総理が退陣表明されて自民党総裁選が行われようとしている、いわば権力の移行期でもあります。またアメリカにおいても11月に選挙があるということで、日米の両国における権力の移行期にこういった我が国を試すような行為については、厳重に抗議するとともに警戒を強めていかなければならないと思います。中国のみならずロシア、あるいは中露が共同してこういった侵犯事案を仕掛けてくる可能性も排除できませんので、警戒を高めていく必要があると思っております。政府におかれては万全の対応をすることを求めたいと思います。
 また領空侵犯に対しては、現行法体系の中では、海と同じように威嚇射撃をして着陸を求めるとか、ちょっと現実的ではない法体系・制度になっているところもあると思います。今回の事案をよく分析した上で、必要に応じて法改正もしていく必要があるのではないかと思います。自民党の中でも憲法改正の議論が出ていますが、現行の自民党の9条改正案は1項・2項の解釈は維持するという何も変わらない憲法改正ですので、こういった事案に対しての対応も憲法改正したからといって対応できることが増えたり拡大したりすることはないので、ぜひ意味のある憲法改正議論や制度論を総裁選挙の中でもやってもらいたいと希望します。

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