足立康史議員(参議院議員/全国比例)は24日、国民民主党を代表し、参議院本会議で議題となった副首都法案に対して反対、住民投票と選挙の同時実施禁止法案に対して賛成の立場から討論を行った。討論の全文は以下のとおり。
国民民主党の足立康史です。会派を代表し、副首都法案に反対、住民投票と選挙の同時実施禁止法案に賛成の立場から討論します。
昨日、有楽町で、副首都法案を立案した日本維新の会の街頭演説がありました。その様子を動画で拝見し、大変驚きました。集まっている聴衆の数が少ないとか、そんなちゃちなことではありません。その演説会でマイクを握った維新の政策責任者がこう述べていたのであります。 「いよいよ会期末、今日も副首都法案に関する審議が参議院で行われていた。我々維新の仲間が法案提出者として誹謗中傷に耐えながら国会審議に臨んでいる」こう演説したのであります。
私たちは、副首都法案を少しでも良いものにするようにと質問しているだけではないですか。誹謗しましたか。中傷しましたか。私は、冷静に、優しく、上品に質問しているだけであります。そもそも、「誹謗中傷に耐えながら」とおっしゃっていますが、耐えなくてもいいです。私たちのまっとうな質問に答えていただければいいのです。簡単な話であります。しかし、答えない。そして、何度も速記が止まり、いわゆる理事会協議事項がどんどんたまっていった。その数は九つ。
これら九つの点に沿って、副首都法案に対する反対理由を述べてまいります。
第一は、私たちが求めている特別市にかかる検討事項を副首都法案の附則に追記せず、国民、そして特に大阪市民に選択肢隠しをしている点であります。七月十日に始まった自民・維新・公明・そして国民民主党、四党の政調会長による修正協議。しかし、維新は附帯決議の調整に終始し、法案の条文については一切変えようとしませんでした。しかし、そもそも特別市は私たちの新しい提案ではありません。政府の第三十四次地方制度調査会でも検討が始まっており、加えて、与党の法案概要、与党の法案概要ですよ、にも副首都の体制の選択肢の一つとして特別区を想定すると書いてある。私の紙じゃありません。与党の紙だ。しかし、吉村代表は、大阪都構想とは異なるもう一つの選択肢、二重行政を完全に解消できる新しい選択肢である特別市制度については、「知らぬ、存ぜぬ」を貫くばかりであります。
なぜでしょうか。大阪市民に、都構想のほかにも選択肢があるということを知られたくない。だから、大阪都構想のための特別区については無理やり附則の条文に規定する一方、特別市の検討条項ですよ、政府も検討しているのに、その特別市の検討条項については絶対に入れない。頑として拒否をしてきたのであります。しかし、選択肢を用意することは民主主義の基本中の基本、大前提じゃないですか。まさに、今回の副首都法案を私が「選択肢隠し法案」であると断じるゆえんであります。
第二は、法律と政令との関係です。そもそも、特別区であれ、連携協約であれ、副首都にふさわしい地方行政体制の選択肢については全て政令に委任されており、法律が施行された後、政府が規定を整備することとなっています。にもかかわらず、附則の条文に突然、都構想のための大都市法が出てくる。政令を制定する前に、政令で指定するはずの大都市法が条文、附則の条文に突然出現をしたんですね。これもあり得ません。閣法であれば、政府提出法案であれば、内閣法制局が絶対に認めないでありましょう。
第三は、多くの政党が指摘しているように、基本方針を策定する前に副首都の指定ができるという点です。しかし、なぜそんなに急ぐのか。もちろん言うまでもなく、来春の統一地方選挙と同日に住民投票を実施するにはタイムリミットが近づいているからであります。維新の会は、富士山の噴火だ、首都直下型地震だと緊急性をあおりますが、災害を衣にして、その下の鎧、党利党略という衣の下の鎧があらわになってきたからこそ、多くの国民が興ざめし、副首都法案への支持が広がっていないのであります。
第四は、大阪府市が要望している「都」への名称変更のみを法案に規定し、福岡から要望のある「府」への名称変更に関する規定がない点です。昨日の参考人質疑にお越しいただいた小原隆治教授も、「大都市制度と名称とは無関係である」と明言をされていました。当たり前です。維新の会が、このまま根拠なく「都」という名称のみを特別扱いし、「府」という伝統ある名称をないがしろにするのであれば、それは大阪府民と、そして京都府民を愚弄することになる。そう厳しく指摘せざるを得ません。
副首都法案に反対する理由には事欠きませんが、特に腹立たしいのは、法案に皇室の位置付けが全くないことであります。関西広域連合、関西には広域連合というのがありまして、立派な連合であります。機構であります。この関西広域連合の首都機能バックアップについての意見書には、日本の大切な皇室の安心・安全と永続を実現するために、皇族の方に京都にお住まいいただくとの記述があります。当たり前です。当たり前です。いざというときですね。ところが、吉村知事は、副首都法案の立案に当たって、関西広域連合や京都市とこうした点について検討を行った形跡が皆無であります。不真面目極まりないと断じざるを得ません。
もう一つの重要なテーマは、統一地方選挙と住民投票との同時実施の問題です。私たち国民民主党が衆議院に提出し、この参議院においては公明党と共同提出している同日選禁止法案。参考になるのが憲法改正の国民投票であります。二〇〇七年、憲法改正国民投票法が制定された際、当時の法案提出者であった保岡興治先生が、「制度を決める国民投票と人物を選ぶ選挙との同時実施は適当ではない。想定もしていない」と立法者意思を明確にされたことは、国会議員であれば知らない人はいないのではないでしょうか。ところが、そうした先輩たちの深い見識と議論の経緯を知らないのか、吉村洋文大阪府知事・日本維新の会代表が「同日選を目指す」と言い出した。投票の公正という憲法的価値をないがしろにする暴挙であります。この吉村代表の「目指す発言」を立法事実とし、当たり前の政治、当たり前の投票の公正を実現しようとするのが同日実施禁止法案であります。与野党の同僚議員の皆様に、改めて広く賛同をお願いする次第であります。
皆様御存じのとおり、「ゲリマンダー」という言葉を聞かれたことがありますね。選挙において特定の政党や候補者に有利なように選挙区を変更することを言います。一八一二年、米国マサチューセッツ州のゲリー知事が、自分の所属する政党に有利なように選挙区を区割りした結果、選挙区がサラマンダーのように、トカゲみたいな形に不自然な形となった。そのうちの一つがそのサラマンダーのような異様な形をしていたことから、「ゲリー」と「サラマンダー」を合わせた造語、「ゲリマンダー」が生まれたのであります。政治学の教科書には必ず出てきます。まさに今、吉村知事率いる日本維新の会がやっていることは、比例区に特化した議員定数の削減であれ、大都市制度の選択肢隠しであれ、未遂に終わった住民投票の対象範囲の拡大であれ、統一地方選と住民投票の同日選を目指すことであれ、いずれを取ってもゲリー知事顔負けのゲリマンダー、「ヨシマンダー」であると断じざるを得ないのであります。
私たち国民民主党は、対決より解決を党是としていますが、解決のためにも、こうしたよこしまな政治とは徹底して戦い、維新の会による党利党略法案、我田引水法案、羊頭狗肉法案については反対し、廃案に追い込むと宣言し、私の討論といたします。ありがとうございました。
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