浅野哲青年局長(衆議院議員/茨城5区)は2日、衆議院本会議において、石破総理大臣の所信表明演説に対する代表質問を行った。全文は以下の通り。

 国民民主党の浅野さとしです。
 はじめに、先の総選挙で当選されたすべての議員の皆様に対し、心からの敬意を表します。我が国が抱える課題の解消と、国家の更なる発展をめざし、互いに真摯な議論を交わしていけることへの期待を表明し、質問に入ります。

能登半島の復旧加速
 去る11月19日、予算委員会の皆様とともに輪島市を訪問しました。能登半島地震から11カ月、9月の豪雨災害から2か月が経過した今もなお、現地では多数の被災した建物や土砂崩れ、河川氾濫の形跡を生々しい姿で確認することができました。ある住民の方からは、仮設住宅に入居後2日目に豪雨災害が発生し、心が折れてしまったという悲痛な声も聞きました。
 被災地域ではこれから降雪期に入ります。現地では、雪が降る前の土砂や解体建物等の撤去、河川修復作業の加速を求める声が出ています。
 総理、能登半島の復旧は待ったなしです。政府として十分な予算措置と、現地の要望に寄り添った迅速な対応を改めて求めます。また、政府の総合経済対策の中には、国民民主党から提案した避難所となる体育館等への空調設備導入のペース倍増が盛り込まれましたが、ランニングコスト支援も含めていただく事を求めます。

手取りを増やす経済対策
 国民民主党は、先の総選挙において手取りを増やす経済対策を公約に掲げました。その柱のひとつは、所得税の恒久減税です。
 大手企業では5%を超える賃上げが実現し、長く続いた賃金デフレの悪循環から抜け出せる兆しがようやく見えてきました。国の税収も過去最高を更新し続けており、円安で外為特会などの税外収入も大幅に増えています。一方で、「給料が上がったけど、税金や社会保険料が高くなって、結局手取りが増えない」という声も数多く寄せられています。
 政治の役割は「国のふところ」を豊かにすることではなく、「国民のふところ」を豊かにすることです。
 春の賃上げを非正規雇用や中小企業にも広げ、持続的なものにするためには、手取りを増やして消費を拡大し、売上を増やすことでさらなる賃上げにつなげるという好循環が何より重要です。今こそ、賃上げやインフレ、円安で増えた国の税収を、減税や生活費の引き下げで国民のみなさんに還元し、「個人消費からはじめる経済の好循環」を実現しようではありませんか。

103万円の壁
 いわゆる「103万円の壁」の引上げについて提案します。
 皆様、想像してください。もし、皆様がパート・アルバイトで働いている立場だとして、手取りが年75万円増えたら、それを何のために使いたいですか。社会保険料を支払った場合でも、家族旅行に使ったり、記念日に大切な人と食事をしたり、子供に可愛い服を買ってあげたり、習い事のための十分なお金が手元に残ります。年収の壁を引き上げることで、働き方の自由が生まれ、豊かな暮らしを手にする機会を、多くの人々に届ける事ができます。
 まず、いくつかの事実を提示します。1995年から今日までの30年で日本の最低賃金は1.73倍に上昇しました。また令和4年度の生活保護事業の総予算を受給者数で割ると、受給者一人当たりが生きていくために必要な予算は年約180万円です。日本で必要最低限度の生活を送るためには、この程度の手取りが必要である事の証左です。
 一方、総務省調査によると、非正規雇用者2,111万人のうち、就業調整をしている人数は537万人、厚労省がおこなった別の調査によれば、パートタイム労働者の45%が就業調整を行った理由として103万円の壁を挙げています。年収の壁が文字通り障壁となって、労働者の労働意欲を阻害し、年収を抑制していることは、これらの事実からも明白です。
 この様な事実をみても、所得税にかかる基礎控除や給与所得控除を拡大し、最低賃金の上昇率などを勘案して、103万円から178万円に引き上げるべきです。
 我々の提案は、税負担軽減だけでなく、より多く働ける環境をつくり、減税分+勤労所得増加分の手取り拡大効果が出るのです。もっと働きたいと思う人々が、働くことを躊躇してしまう理由を取り除くことにより、より多くの人々が、今より豊かな生活に手の届く社会を国民民主党はつくります。その手始めとして、11月28日には現・国民民主党として103万円の壁を引き上げる法案を提出しました。ぜひ、関係各位のご理解と御協力をお願い申し上げます。
 総理も、所信演説において、103万円の壁を引上げると明言されました。改めて、そのご決意を伺います。また併せて、特定扶養控除の基準額も引き上げ、その適用における年齢条件は、年ではなく年度を基準とし、就学年での適用ができるよう運用改善を行うべきです。総理の見解を伺います。

年少扶養控除の再導入
 現在、中学生以下のこども達にも当然ながら生存権は保障されています。ただし、彼らは収入を得られないため、基礎控除の恩恵は彼ら自身には及びません。現状、児童手当のみです。一方、扶養されている成人や高齢者には、扶養控除が適用され、さらに、第3号被保険者制度や国民年金制度のもと、事実上の現金給付が行われています。あえて付言すれば、年金受給者には最大110万円の年金控除制度も準備されています。 
 つまり、現状はこどもに対する支援が手薄なのです。だからこそ、子育て世代がこどもを作ることに不安を感じ、少子化が止まらないのです。だからこそ、「子育て罰」という言葉が生まれたのです。
 総理、かつての自民党は年少扶養控除の復活を選挙公約に掲げていました。今となっては、その提案は正しかったと思います。年少扶養控除は再導入すべきです。この制度がないこと自体がおかしい。また、高校生の扶養控除が縮小される議論がありますが、我が党は明確に反対を表明します。見解をお聞かせください。

障害児福祉の所得制限撤廃
 障害児福祉施策全体の所得制限を撤廃してほしいとの声が多く寄せられています。
 ​本年4月、補装費支給制度に係る所得制限は撤廃されましたが、特別児童扶養手当、障害児福祉手当、特別障害者手当等に関しては、依然として、所得制限がかけられています。
 厚労省の国民生活基礎調査によれば、近年の賃上げによって、児童がいる世帯の所得も増加していますが、所得制限が適用されると自己負担が増加し、実所得の逆転現象が起こってきた現実があります。それを避けるため、働き控えが増加する可能性は十分考えられます。​
 すべてのこども達に寄り添い、そのご家族を支えるためにも、障害児福祉の所得制限をすべて撤廃してください。総理の答弁を求めます。

ガソリン減税
 現在のレギュラーガソリンの本来価格は約190円。それを補助金で175円程度に抑えています。この施策がスタートした 2022年以降の予算総額は約8兆円に上ります。3年間で8兆円という事は、年間約2.3兆円が投じられてきたことになります。​総理、ガソリン代への補助金はいつまで続けるのでしょうか。
 国民民主党は、50年前から続いている1リットルあたり25.1円の暫定税率の廃止を求めます。これにより、ガソリンの販売価格は165円程度まで下がり、それでも減税幅は年1.5兆円です。国民負担が軽くなり、財政負担も軽くなる、地方の減収分を補填してもお釣りが来ます。明らかに現行施策より優れています。
 日常的に自動車を使う地方を中心に国民が困っています。また、ガソリン代は物流コスト上昇に直結することから、企業の利益を削り、来年の賃上げ原資をも奪っています。​地方創生を謳っている石破総理こそ、ガソリン減税に取り組むべきです。総理、先日政党間で約束した自動車関係諸税全体の見直しは早急に着手し、来年度からガソリン税の暫定税率廃止を実現すべきと考えます。総理の見解を伺います。

賃上げと価格転嫁
 連合は、11月28日に開催した中央委員会の中で、来年の春闘賃上げ要求水準を、大手企業5%以上、中小企業6%以上としました。来年は、継続的かつ高い水準での賃上げのみならず、大企業と中小企業間の賃金格差是正も課題となる見通しです。
 まず、来年以降の継続的賃上げのために、総理はまず何から着手するか、答弁を求めます。また、総理は所信演説の中で、男女間の賃金格差と、女性の雇用における「L字カーブ」に対する問題意識を表明されました。これらの解決にむけた総理の御認識を伺います。
 加えて、継続的な賃上げのためには、価格転嫁が必要です。一方、民間団体が実施したアンケートによれば、労務費増加分の5割以下しか価格転嫁できなかったと答えた企業割合は約6割にのぼりました。現状、十分な価格転嫁ができているとは言えません。「​労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」が公表されてから1年。これまでの評価と、「迅速かつ円滑な価格転嫁」の実現にむけた具体策をお聞かせください。
 また、企業の収益体質の継続的改善も必要です。これまで、中小企業向けには多数の支援メニューが提供されていますが、本年の税制改正で新たに定義された「中堅企業」むけの支援策は手薄となっています。中堅企業の経営支援についても充実させることを求めます。

教職員の労働環境改善
 また総理は「人づくりこそ国づくり」「教職員の働き方改革や給与面を含む処遇改善を通じて、公教育の再生を進める」と明言されましたが具体策について伺います。総理の発言は、教職調整額を4%から13%に引き上げた上で、更なる処遇改善や働き方改革推進、教職員定数の改善など、学校現場における人への投資を一層強化する意思の表明と受け止めましたが、その理解で正しいかどうか、答弁を求めます。

訪問介護報酬
 訪問介護事業は、要介護者が住み慣れた地域や自宅で自立した生活を続けられるよう支援するためのものです。しかし政府は、本年の介護報酬改定において、訪問介護については-2.4%としました。現場からは強い抗議の声と悲痛な叫びが上がっています。政府は改定を行った理由として、訪問介護の平均的な利益率の高さを挙げていますが、これは現場の実態を全くふまえていない机上の空論だということを、訪問介護従事者に代わり、強く訴えます。
 事実、令和5年度介護事業経営実態調査によれば、月あたりの訪問回数が多い事業所と少ない事業所の間で、利益率は11.3倍(最低1.2%、最高13.5%)もの差が開いています。事業者規模や地域性などへの配慮に欠けたまま訪問介護報酬が引き下げられたことにより、訪問介護事業者の倒産件数は、本年10月時点で72件と、2か月を残した時点で過去最高を更新してしまいました。
 2年前には経済産業省によって、ビジネスケアラーが増加する2030年にはおよそ9兆円の経済損失が発生することも予想されています。高齢者とご家族の生活を支え、一人一人が尊厳ある人生を送るためにも、訪問介護報酬については次の改定時期を待たず、早急に見直すべきと考えます。総理の見解を求めます。

薬価の中間年改定
 中間年薬価改定は、2016年の4大臣合意に基づき実施されていますが、近年、度重なる薬価の引き下げ、需給ひっ迫に対応するための業務コスト増大等が発生し、製薬メーカーやCMO、卸、薬局、医療機関等の経営を圧迫し、新薬創出力の低下を招いています。そもそも価格転嫁が制度上できない産業構造であるため、賃上げの不調や離職者の増加にもつながっています。こうした現状をふまえ、中間年薬価改定は廃止し、時代に即した薬価制度を再構築すること、中医協改革に着手することを求めます。総理の見解を伺います。

後期高齢者医療保険制度
 健保連によれば、令和5年度の健保組合の経常収支は1,367億円の赤字、令和6年度は1,700億円の赤字を見込んでいます。その最も大きな要因は、賃上げでも物価高騰でもなく、高齢者医療費への拠出金の増加です。後期高齢者医療制度への拠出額だけを見ても、令和3年度は6.5兆円に上ります。
 高齢者の健康を守り、医療へのアクセスを保障することは言うまでもありません。一方、このままでは存続できない健康保険組合が出てくる恐れも高いと思います。またこのままでは、いくら賃金が上がっても、社会保険料率がどんどん上がり、手取りが増えない状況が続きます。そのため国会には、不都合な真実から目をそらすことなく、持続可能な医療保険制度の在り方について議論を行っていく責任があります。窓口で3割負担する「現役並み所得者」の対象範囲や保険料率、給付抑制策、公金支援の拡充など、聖域なき議論が求められています。これらを踏まえ、後期高齢者医療保険制度の今後の在るべき姿について、総理の見解をお伺いします。

高速道路料金制度
 石破総理は、地方創生に関する「点」を集めて「面」にしたいとの意欲を表明されましたが、そのためには、「点」と「点」をつなぐ「線」が必要です。そのための具体策は考えられていますか。地方創生のポイントは、移動のコストを下げることです。地方への産業誘致、観光産業の活性化、二拠点居住促進などを図るため、高速道路をもっと利用しやすくすべきです。現在の高速道路料金制度は、走る距離が長くなるほど料金が高くなるため、長距離利用の障壁になっています。
 1972年に発刊された「日本列島改造論」。その本旨は「工業再配置と交通・情報通信の全国的ネットワークの形成をテコにして、人とカネとものの流れを巨大都市から地方に逆流させる “地方分散” を推進すること」でした。あれから約50年が経ち、いま再び、交通・情報通信の全国的ネットワークの再構築が求められています。
 国民民主党は、高速道路の年間収入と年間走行台数のデータを分析し、乗用車であればワンコイン500円で高速道路走り放題の料金制度が導入可能であると考えています。利用者全員が負担を分かち合うことで、移動コストを大幅に抑制できます。総理、ぜひやりませんか。

仮想通貨税制
 暗号資産(仮想通貨)の世界市場規模が急速に成長を続ける中、日本においては現在、暗号資産の売買益は雑所得として最高55%の税金が課せられています。これらの規制や税制が足枷となり、Web3企業や個人資産が国外へ流出しています。​
 スタートアップ支援を含むWeb3市場でのビジネス振興、及び、資産の国内回帰を促すために、暗号資産の取引から生じる利益について、一律20%の申告分離課税を導入し、加えて株式や投資信託と同様に、損失繰越控除の対象とするなど、税制改正によって日本市場の育成や競争力強化を図るなどの対応が必要と考えます。また仮想通貨ETFの取引環境整備が急務だと考えますが、総理の考えを伺います。​

エネルギー基本計画
 エネルギー政策を取り巻く環境は、3年前とは大きく変化しました。生成AIの普及や電化・電動化等のメガトレンドが出現したことにより、国内の電力需要は今後増大していくことは確実です。また日本の新たな排出削減目標として、2035年に60%、2040年に73%という野心的な数値が議論されています。このような状況のもと、先週我が党は総理に対し、第7次エネルギー基本計画に対する要請書をお届けしました。
 安全・安定・安価なエネルギー供給とGXの実現を両立するためには、再エネや原子力発電などの脱炭素かつ他国依存度の低い電源を最大限活用することが必要不可欠です。そのため、次期エネ基では、「再エネ最優先」や「原子力依存度の低減」というような二項対立的な電源の特定は行わず、原子力の必要性についても明確に示し、安全を前提とした原子力発電所の稼働とともに、建替えや新増設についても明記すべきです。総理のお考えを伺います。

能動的サイバー防御
 政府や企業へのサイバー攻撃が広がっている中、重大なサイバー攻撃を未然に防ぐための「能動的サイバー防御」を可能とする法整備が遅れています。政府は重要インフラ向けのソフトウェアを登録制にして、リスク管理能力を高める方針の様ですが、これはあくまでも攻撃を受ける事を前提とする「受け身」の対策です。
 能動的サイバー防御を可能とするためには、不正アクセス禁止法やウイルス作成罪の適用除外や、ハックバックの正当性を担保するための関係法整備も必要です。日米同盟最大の弱点ともいわれるサイバー領域でのセキュリティ向上のためにも、早急に全体像を示し、この国会での成立を目指しませんか。総理の見解を伺います。

農政・食料安全保障
 先日の所信演説では農政に関する言及が少なく、農政に強い思いをもたれてきた石破総理らしさが出ていない様に感じました。国民民主党は、現場に不安の広がっている水田活用直接支払交付金の「5年の水張り」要件は撤廃するべきであると、累次に渡って訴えてまいりました。石破総理は10月の本会議において、交付金要件の見直しは適切なものであると答弁されましたが、改めて、年度内策定予定の次期食料・農業・農村基本計画の中で、この要件は撤廃すると明言していただけませんか。
 また、世界的な食料安保や気候危機への対応が叫ばれる中、今こそ農業・農地の公共的・環境的役割を重視した農政への転換を推進すべきです。国民民主党は、現在ある複数の直接支払制度を整理統合した上で、営農継続可能な所得を国が補償する「食料安保基礎支払」を創設するとともに、主要農産物・食料ごとの自給率目標を定める「食料自給基本計画」を策定することを提案しています。総理の見解を伺います。

外国人土地取得規制
 我が国の土地は、国民生活及び経済活動の基盤であり、かつ、「国土」として防衛・安全保障としての役割を併せ持っています。そのため、その取得・利用・管理の在り方は、我が国の安全保障に深く関わっています。​
 2022年9月、重要土地等調査法の施行より、自衛隊の基地周辺や離島など、重要な地域での土地等の利用を規制することとなりましたが、安全保障の観点からは、外国人や外国資本による不動産や水源地の取得も懸念されます。​
 日本は、WTO加盟時に外国による土地取得を規制する権利を留保しませんでした。しかしながら、後に加盟した中国を含むRCEPやTPPでは留保しています。これらの整合性の整理も踏まえて、我が国の安全保障に支障を及ぼすおそれのある外国人による土地等の取得・利用について、一定の規制ができるように踏み込んでいくべきと考えますが、総理の見解を伺います。​

日本製鉄によるUSスチール買収
 来年1月にトランプ前大統領が再び大統領に就任することとなりました。トランプ氏は日本製鉄のUSスチール買収に対し、一貫して厳しい姿勢を貫いています。一部報道では総理からバイデン大統領に対し、買収の承認を求める書簡が発出されたとされています。これは事実でしょうか。また、その趣旨は何でしょうか。本件については、民間の案件には関与しないとする政府の姿勢からすれば特例的な行為である一方、民間の経済活動を米国内の政治的圧力から守り、市場の自由な投資やM&Aを担保するための一石を投じられたことと評価します。このように、今後も民間同士の取引が政治的な駆け引きの材料となっていくことが懸念されています。自由で公平な市場取引を担保するためのお考えを総理にお伺いします。

米国政府効率化省
 米国との宇宙分野における連携についても伺います。次期トランプ政権における、政府効率化省(Department of Government Efficiency: DOGE)が注目を集めています。同省が連邦政府の歳出を5000億ドル以上削減することを目標にすることが表明されました。米国会計検査院(GAO)が勧告した未解決事業に分類されるものから削減対象になることが予想され、その中には、日本も関わる事業が複数含まれています。
 例えば、月面着陸を目標とした有人宇宙飛行計画であるアルテミス計画の一部(Space Launch System(SLS)、月面着陸を目指すArtemisⅢ)が含まれます。日本はアルテミス計画に当初から参画し、今年4月には日本人宇宙飛行士が月面着陸に参加することなどを盛り込んだ取り決めに署名しており、日本の宇宙開発計画においても重要な位置を占めています。
 政府効率化省の活動が、これまで日本と米国の間で協力関係を築いてきた様々なプログラムへ影響を与えることはないのでしょうか。両国間で合意された重要事業が無暗に変更・反故にされないよう、政府は政府効率化省の動向に注視すべきです。本件に関する総理の見解をお伺いします。

憲法改正
 憲法改正について伺います。
 今年6月に自民、公明、維新、国民民主、有志の会の5会派で合意した、緊急事態における国会機能維持のための改憲上文案をもとに、国会としての条文化作業に結論を得るべきと考えますが、総理のご所見を伺います。
 また、石破総理は本年7月に出版した著書の中で、戦力不保持をうたった9条2項を削除した上で、現在の自衛隊を「国防軍」に改め憲法に明記すべきと主張されていましたが、この考えに変更ありませんか。
 私はかつて中山太郎先生が会長時代に示した、いわゆる中山協調主義の考え方は大変重要だと認識しています。お互いの相違点があるのは当たり前です。その様な状況を前提としながらも議論を避けず、歩幅は小さくとも、丁寧な合意形成を重ね続けていくことこそ、憲法審査会の在るべき姿だと考えます。長年、憲法審査会に所属されてきた石破総理の憲法審査会に対する期待について伺います。

政治改革
 総選挙での結果を受けて、総理は政治改革に取組むことを発言されています。ここで政治に対する信頼を取り戻せなければ、政治の安定は、より一層難しいものとなります。
 国民民主党は政策活動費の廃止、旧文通費の使途公開の両方を自主的に行っている唯一の政党です。これらをすべての政党が実践することは勿論、公正を期すための第三者機関の設置、違反を犯した議員が所属する政党に対する政党交付金の減額措置の創設、また、政治資金の徹底的な透明化によって不正使用を予防し、追跡可能にするキャッシュレス化の推進などを求めます。総理の見解を伺います。

おわりに
 現在、我々が提案した103万円の壁を引き上げる政策に端を発して、多くの皆様から賛否両論のご意見をいただいています。「財源をどうするか」「地方財政への配慮が必要だ」「高所得者優遇ではないか」「106万円の壁や130万円の壁の対策も必要ではないか」など、連日多くのメディアで取り上げられ、国民の間でも活発に議論を行っていただいています。これは、本当に有難いことです。私たちはこれからも「税金をつかう」側ではなく、「税金を納める」側の立場に立ちます。国民生活に寄り添い、手取りを増やす政策の実現を通じて、日本社会の安定と発展に貢献していくことを改めてお誓い申し上げ、質問を終わります。

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