浅野さとし青年局長(衆議院議員/茨城5区)は12日、国民民主党を代表し、衆議院本会議で議題となった令和6年度補正予算案に対する賛成討論を行った。討論の全文は以下のとおり。
令和6年度補正予算案に対する討論
令和6年12月12日(木)
国民民主党・無所属クラブ
浅野 哲
国民民主党の浅野哲です。私は、国民民主党を代表して、令和6年度補正予算案に対し「賛成」の立場から討論を行います。
国民民主党が賛成する第一の理由は、いわゆる、103万円の壁の引き上げと、ガソリンの暫定税率廃止にむけて、与党との一定の合意に至ったからです。
2年前の令和4年2月22日、この日の衆議院本会議において、国民民主党は主要野党として1978年以来、実に44年ぶりに本予算に賛成しました。理由は、コロナ禍という有事が長期化しつつあった中で、国内の賃上げ機運を何としても守り抜くという強い決意、そして、緊迫化する国際情勢の中で、原油高騰対策を早期に実現しなければ国民生活に甚大な影響がおよぶとの危機感であり、そのためにも最重点目標であったトリガー条項の発動にむけてあらゆる手段を尽くすという不退転の決意からでありました。
その約一カ月後、自由民主党、公明党、国民民主党の幹事長合意に基づき、トリガー条項の発動にむけて協議を重ねましたが、結局、与党側が慎重姿勢を崩すことはなく、本年2月に我々は、この協議からの離脱を決断いたしました。
しかし本年10月、国民民主党は103万円の壁の引き上げとガソリン暫定税率の廃止を主要公約に掲げて総選挙に挑み、それぞれの地域で有権者の後押しをいただく結果となり、21名の新しい仲間を国会に迎え、ガソリン減税を訴える機会を国民の皆様から与えていただいたのであります。
そして昨日、自由民主党、公明党、国民民主党の幹事長会談が行われ、その中で、「いわゆる『103万円の壁』は、国民民主党の主張する178万円を目指して、来年から引き上げる。」こと、そして、「いわゆる『ガソリンの暫定税率』は、廃止する。」ことが合意されました。まさに、意志あるところに、道は拓けるということを感じた瞬間でありました。
第二の理由は、補正予算案の中に、国民民主党の要望内容が盛り込まれたためです。
11月8日、国民民主党は与党に対して令和6年度経済対策および補正予算に関する要望を提出し、浜口政調会長のもと各党と交渉・協議を行ってまいりました。国民民主党から要請した項目はおおきく4点。①能登半島の地震・豪雨災害からの復旧復興のための予算、②防災・減災対応、特に避難所となる体育館への空調設備導入を加速し、ランニングコスト支援を行うこと、③103万円の壁を178万円まで引き上げることや、特定扶養控除の基準額の引上げ、④冬季の電気代・ガス代に対する支援とガソリン代引下げ、航空機燃料支援です。
とりわけ、能登の被災地の復旧は待ったなしです。去る11月19日、私は予算委員会の皆様とともに輪島市を訪問しました。お正月の地震や9月の豪雨災害から時間が経過した今もなお、現地には多数の傷跡がそのままの形で残っていました。国会の責務は、現地にいる皆様の思いをすくい上げ、人々の暮らしを支え、人々が希望をもち新しい朝を迎えられる状況をつくりだすことだと考えます。
ところで、先般の被災地視察の際、ご自身の選挙区内が被災した近藤和也議員、西田昭二議員をはじめ、多くの出席議員が、被災地の早期復旧にむけて住民の意見を丁寧に聞き取り、与野党を越えて対応策を話し合う場に私も同席しました。まさに与野党を越えて、目の前の困っている人々のために、対決より解決の姿勢を実践する皆さまの姿に深い感銘を受けました。今般、立憲民主党が提出した修正案の一部を含む形で、自由民主党・公明党が修正案を提出し、能登半島の復旧予算が1000億円上積みされたことは、党派を越えて被災地に寄り添う思いが具現化されたものと敬意を表し、国民民主党は賛成することといたします。
また、補正予算には、国民民主党や公明党が求めてきた、避難所となる学校の体育館等への空調設備導入を加速するための予算が計上されました。近年、災害が激甚化・頻発化する中で、高齢者や障害者、こどもや女性の方たちにとってより安心安全な避難場所を確保するためにも、重要性かつ緊急性の高い項目であり、本項目を盛り込んでいただいた事は率直に評価できるものと考えます。
他方、年少扶養控除の復活や、障害児支援の所得制限撤廃など、これまで累次にわたって求めてきた施策の改善については、政府は後ろ向きな姿勢を堅持していることは残念であります。国民民主党は引き続き、これらの制度改善を求めていきます。
特に、年少扶養控除については、先般の代表質問でも触れたように、扶養されている成人や高齢者、障害者には、各種控除が適用され、さらに、第3号被保険者制度や国民年金制度のもと事実上の現金給付が行われています。一方、こどもには児童手当のみで控除はありません。超少子化・超高齢化社会の日本において、こどもに対する支援はさらに手厚くしていくべきです。報道によれば、政府与党は高校生の扶養控除額を維持することを決めたそうですが、年少扶養控除についても考えを改め、再導入すべきであると、改めて強く主張いたします。
また、報酬改定によって厳しい状況に追い込まれつつある訪問介護事業者、とりわけ、小規模かつ過疎地域等で活動する訪問介護事業者に対するきめ細やかな支援策が急務です。そして、薬価の中間年改訂が続いてきたことにより、我が国の製薬産業における創薬力や供給能力が危機に瀕しています。今般の補正予算においては「医療・介護・障害福祉現場の生産性向上・職場環境改善等の支援」に2,304億円、「創薬支援」「後発医薬品安定供給支援」に計552億円が措置されていますが、いずれも対症療法の域を出ていません。国民民主党は、本質的課題である訪問介護報酬体系の見直しや薬価の中間年改訂など根本原因を解消することを引き続き求めてまいります。
2年前にも同様な事を申し上げましたが、この国を前に進めるのは政権与党だけではありません。政策本位の健全な野党がいてこそ、より深く未来を見つめた議論ができると考えます。だからこそ、国民の皆さまには、具体的な政策提案と現実的な政治交渉によって議論を前進させることのできる国民民主党を、さらに大きくお育ていただくことをお願い申し上げ、私の討論を終わります。
ご清聴ありがとうございました。
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